娘を救うため、裏切り家族に復讐を誓う元妻のリスタート第1話
この話は約2254字。当サイトでは第1〜2話を試し読みできます。
前世、夫は風邪ひいてる娘を、義父のいる病院に連れてった。でも、病院から返ってきたのは「重病で手の施しようがない」と告げられた絶望的な知らせだけだった。
その報せを聞いて慌てて病院に駆けつけた私は、信じがたい光景を目にした。夫は、娘の臓器を自分の愛人の息子に移植してる最中だったんだから。
後で知ったけど、義父が、娘の容態が安定してたのを知りながら無理やり臓器を摘出したんだって。
ショックと怒りで頭が真っ白になって、奴らに文句言いにいったけど―冷酷な旦那と義母、そして義父まで一緒になって、私に毒薬を無理やり飲ませやがった。私はそのまま......死んだ。
でも、気づいたら私は過去に戻っていて、夫が娘を病院に連れてった直後の時点にいたんだ!
* * *
今、耳元では義母のうるさい小言が永遠ループ中。
「まったく、子どもが病気でも放ったらかしで、晩ご飯すら作らない気?あんた、うちの家族を何だと思ってるの?」
その声に我に返って、私は慌てて義母の鏡子に確認する。
「ねえ、朝に俊也が優菜を病院に連れて行ったけど、まだ帰ってきてないの?」
すると鏡子はますますヒートアップして、私を指差しながら怒鳴りつけた。
「帰ってきてないならどうだっての!うちの息子があんたのガキの面倒見に行ってんのに、あんたは家でのほほんとして文句ばっかり!」
その言葉を聞いた瞬間、私は家を飛び出そうとした。だって、前世ではたった一日で、優菜の臓器が俊也の愛人の子に移植されちゃったんだから!今なら、今ならまだ間に合うかもしれない!
だけど、私がドアに手をかけたところで鏡子がさっと立ちふさがり、腕をがっしり掴んでくる。
「どこ行く気だ?料理も作らないでさ!」
「急ぎの用があるから、夕飯はいらないから!」
そう言って無理やり振りほどこうとしたのに、鏡子は腕をグイッと引っ張って放してくれない。
「甘えた女だねえ!今日は絶対どこにも行かせないから、とっとと夕飯作りな!」
そう言い放って私を中に押し込むと、内側からカチャッと鍵をかけ、鍵を握りしめたまま寝室へと引っ込んでしまった。
この家のドアは、一度鍵をかけられると内側からは開けられない。で、その唯一の鍵を持っているのは鏡子だけ。焦りと悔しさで、私の目から涙がボロボロとこぼれてきた。
「お願いだから、今だけドア開けて!本当に大事な用なの!」
寝室のドアをバンバン叩いて懇願すると、鏡子がニヤニヤしながら出てきて、鍵を手でくるくる回しながら言ってきた。
「ふふ、どうしたの?あんたにも頼ることがあるんだ?」
「お願い、鍵を貸して!なんでもするから!」
鏡子はちらっと私を見たあと、わざとらしくつぶやくように言ってきた。
「別にいいのよ?ただね......来月、友だちと旅行に行く予定があってね。みんな豪華な金ピカつけてくるのに、私だけ何もないっていうのもねぇ......」
私は、鏡子が言い終わるのも待たずに話を遮った。
「......お義母さん、私の持ってるアクセサリーが欲しいんでしょ?今すぐ持ってきます!」
このアクセサリーは、私が結婚する時に両親が持たせてくれた結婚祝いのものだ。デザインも品質も一級品だし、何といっても丸々二キロもある重厚な金の装飾品だ。
鏡子は私が嫁いできたその日から、この金の首飾りを見てはよだれを垂らす勢いで欲しがっていた。これまでも、あれこれと嫌味を言っては、うちの実家に文句つけてまで何度も欲しいアピールをしてきたけど、私は決して渡さなかった。
だけど、今回は何も言わずに、このセットを鏡子に渡した。
鏡子はその金のセットを見て、目を輝かせながら、さっそくそれを手に取った。
その隙に、私はすかさず鏡子から鍵を奪い取って玄関を飛び出し、病院へと急いだ。
病院に着くと、廊下の端で立っている夫・俊也の姿が見えた。
「俊也!ちょっと止まりなさい!」私はそう叫びながら俊也に向かって駆け寄った。
私が息を切らしながら走ってくるのを見て、俊也は一瞬ぎょっとしたが、すぐにうんざりしたような顔で私を睨みつけた。
「そんなに急いで何だよ?死に急いでんのか?お前は家で待ってろって言ったろ。親父の腕を信用できないのかよ?」
そう、義父はこの小児病院の副院長で、腕は確かにいい。
だけど、腕が良かろうと人間性が腐ってちゃ意味がない。
私は俊也とケンカしてる暇もなく、すぐに彼の腕をつかんで叫んだ。
「優菜は?優菜は今どこにいるの?早く会わせて!」
俊也はめんどくさそうに私の手を振り払うと、言い放った。
「お前、ここで何ヒステリー起こしてんだ?優菜には俺と親父がついてるんだ。お前なんか、口出しするんじゃねぇよ。さっさと帰れ!」
「いやよ!優菜に会わせてもらえないなら、絶対にここを動かない!」
そう言って必死に俊也の腕を掴むと、彼は「邪魔なんだよ!」と怒鳴って、思いきり私を蹴り飛ばしてきた。
「うちの家のことに、いちいち首突っ込んでくんな!」
その時、義父がオフィスから出てきて、床に倒れ込んだ私を見ると眉をひそめ、俊也に向かって言った。
「なんで、こんな女をここに来させたんだ?」
痛みをこらえながら私は立ち上がり、義父に向かって叫んだ。
「お義父さん!優菜は今どこですか!優菜に会わせてくれないなら、警察に通報します!」
すると義父は、めんどくさそうに私を一瞥して言い放った。
「お前、何を騒いでるんだ?いいか、はっきり言ってやるが、優菜はもう心筋炎で助からなかったんだよ。すでに息を引き取った」
「今は、彼女の臓器を提供する手続きを進めてるところだ......」
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