仮面恋人第2話
この話は約1358字。当サイトで読める2話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第3話からは公式アプリで読めます。
どうして家の中に見知らぬ男がいるの!?
壁に押し付けられた瞬間、何かがおかしいと直感した。
男は片手で私の口を押さえ、私が声を上げるのを警戒しているようだった。
私は恐怖に震え、何か言いたくても彼を怒らせるのが怖くて、言葉が出てこなかった。
反応する間もなく、彼の手は私の口から離れ、ゆっくりと下へと移動していった。
これが最悪の事態なのか?
1人で家にいる弱い女は、このまま彼に好き放題されるしかないのか?
明徹とはすでに別居しているけれど、法的にはまだ夫婦。もしこのことが彼にバレたら、一体どうなるのか、想像もつかない。
こんなことなら彼を引っ越させるべきじゃなかった。一人でいることの無力さが身にしみた。
何か助けを呼べる人もいない状況で、どうしようもなかった。
私は唇を噛み締め、声を出さないよう必死に耐えた。特に相手が見知らぬ人だし......
だけど、心の奥で誰かが囁く声が聞こえる——お願い、もっと素直になって。
私の微妙な反応に気づいたのか、男は小さく笑った。
その瞬間、全身に鳥肌が立ち、彼のからかうような表情が目に浮かんだ。
私の首筋に温かい息がかかり、「やっと......」と彼が低く囁いた。
声はわざと抑えられていて、よく聞き取れない。
彼の体からはほのかにミントの香りが漂ってきた。
その香りで少し冷静になり、彼が勝手に入り込んできたと気づいた。
私は言葉が上手く出ず、震えながら「あなた、誰?お願いだから、傷つけないで......」と問いかけた。
「お金なら、寝室のクローゼットに置いてあるから、どうか私を放してくれない?」
男は鼻で笑い、「誰がお金なんて欲しいと言った?」
次の瞬間、彼は私の顎を指でつかんだ。
「声を出さないでくれ、緊張して君を傷つけてしまうかもしれない」
「安心して、何もひどいことはしない」
その言葉には妙な感じがあったが、考える余裕もなかった。
たとえ彼が傷つけないと言っても、私は彼を簡単に信じることなどできなかった。
私は頷いて、彼の要求に従うことを示した。
私が反抗しないと分かると、彼は少し気を緩めたようで、私を寝室へ連れて行った。
彼は私が妊娠していることを知っているようで、最初からお腹を守るように優しく動いていた。
月明かりが窓から差し込み、彼の姿が少しだけ見えた。
男は黒いマスクをつけ、顔全体が隠れていて、目だけが見える状態だった。
暗闇の中では、彼が誰なのか全く分からない。
私が彼を見ている間、彼も月明かりを頼りに私を見つめていた。
明らかに、彼の狙いは私だった。
彼が強引に私に何かするかと思っていたが、彼の動きは終始優しかった。
心の中で「耐えよう、朝まで持ちこたえたらすぐに警察に行こう」と考えていた。
しかし、その時、彼はベッドから身を起こし、私のベッドサイドテーブルに近づいた。
彼がそこから取り出したものを見た瞬間、私は驚愕に包まれた。
「!!? あなた......」
彼の行動に息を飲んだ。
彼があの場所に隠している物を知っていたなんて......
それは私だけの秘密で、誰にも知られていないはずだった。
この瞬間、心臓が今にも飛び出しそうになった。
この男は一体何者で、どうして私の秘密を知っているのか?
彼は説明もせず、ただそれを手に取り、スイッチを入れた。
「これを使えば、もっと気持ちよくなれるんじゃない?」
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