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クズ男検証に必死な偽お嬢様の親友第2話

この話は約1927字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

三木雲吉は三木家唯一の後継者であり、友人たちは当然彼を立てる形で、私にこう諭した。

「そうだよ。泳美はもう三木さんと結婚したんだ。まだ三木さんに見捨てられちゃうのを心配してるの?」

「そうそう、私は、雪華さんが泳美を心配しすぎてるだけだと思うよ」

「雪華さんって泳美がずっと自慢にしてた親友だろう?泳美を害するようなこと、するはずがないさ」

「名門の旦那さんに加えて、金持ちの親友までいるなんて、羨ましすぎるわよ。もっと満足しなきゃ!」

私は拳を握りしめ、奥歯が砕けそうになるのをこらえながら、どうにか怒りを抑えてその場に座り直した。

中島雪華は得意げに私を見てウインクし、そのまま私の隣に腰を下ろすと、わざと音を立てて、限定版のクロコダイルバッグをテーブルに置いた。

友人たちはそのバッグを見て、一斉に驚きの声を上げた。

「雪華さん!そのバッグ、手に入れたの?!」

「すごい!世界でもたったの3つしかない。その1つはこの街のトップ富豪が持ってるんだよね。それって、まさか......」

中島雪華も、このバッグがそんな大物だとは思わなかったのだろう。すぐに得意満面の顔で話を合わせ始めた。

「まあ、特に大したことじゃないわ。こういうバッグなら、うちにはいくらでもあるから」

私は思わず笑いそうになった。

このバッグ、どう見ても母のものだ。それがどうして彼女の手元にあるのか?

前世では、彼女が母のアクセサリーを盗んで、『令嬢』を装って生計を立てる女たちに貸し出していた。このバッグも恐らく同じ方法で手に入れたのだろう。

ある友人が私と中島雪華を交互に見ながら、不審そうに言った。

「でもさ、三木家ってトップ富豪と縁組するって聞いてたけど、雪華さんがその富豪の娘だとしたら、泳美は......」

そして、少し言葉を切って、微妙な口調で続けた。

「まさか噂通り、泳美は富豪の養女ってこと?」

すかさず別の友人が応じる。

「そうじゃない? なんでも、富豪が恩返しのために、運転手の娘を引き取って育てたって話だったし、それが泳美だったんだろうね」

「恩返しのために、実の娘の結婚を犠牲にするなんて、少し理解に苦しむよね」

「それにしても、トップ富豪が養女で縁組なんて、三木家を見下してるのかしら?」

「雪華さんと三木さんのほうがよっぽど相応しいと思う!」

中島雪華の表情が一瞬歪んだ。私と三木雲吉がスピード結婚したことは知っているが、それがビジネス目的の縁組だとは知らないのだろう。

一方、三木雲吉の顔色もまた瞬時に曇り、ブライドを傷つけられたのが見て取れた。

私はスマホを取り出し、アプリで同じ街にいるインフルエンサーを、ゆっくりとスクロールしながらつぶやいた。

「うーん、このバッグ、この街のインフルエンサーたちが、よく持ってたような気がするんだけど......」

少し間を置いてから中島雪華を見つめ、わざとらしく言った。

「でも、彼女たちのプロフィールにはみんな、『令嬢』って書いてあったよ。まさか、そのバッグってリース品だったりするの?」

中島雪華の顔は赤くなったり青ざめたりしていた。その睨む目は、まるで私をその場で食い殺さんばかりだ。

当然のことだろう。以前の私はお人好しで、彼女を公然と追及するなんてしなかったし、むしろ私のために「クズ男」を見極めてくれる彼女に、感謝さえしていたくらいだ。

だから、周りの友人たちも彼女に疑念を抱き始めたのを見て、中島雪華は怒りに駆られ、受付係からハサミを掴むとバッグに乱暴に突き立て始めた。

「これがあたしのものだって言ってるでしょ!中傷するなんて許せない!ほら、こうして切り刻んでしまえば、文句ないでしょ!」

その場にいた全員が思わず息を呑んだ。数千万円相当のクロコダイルバッグが、こうして無残にも切り刻まれてしまったのだ。

しかし、私は舌打ちをして、皮肉めいた笑みを浮かべながら言った。

「思い切りがいいわね。で、母にどう説明するつもり?」

私が言い終えると同時に、中島雪華の顔に動揺の色が広がった。そして、手に持っていたハサミを、そのまま自分の指に落としてしまう。

「キャッ!」という悲鳴と共に、鮮やかな血が指先からあふれ出した。

彼女は泣きながら、涙に濡れた顔で私を見上げる。

「泳美、これで満足なの?」

三木雲吉はすぐに彼女の手を取り、心配そうに血を拭い、ティッシュで簡単に包帯を作ると、彼女を連れてその場を後にしようとした。

「病院に行くぞ」

私が席を立たないのを見て、彼は怒りを露わにした。

「雪華は泳美の親友であり、妹も同然だ。それなのに、彼女にこんな仕打ちをする?泳美は、今や三木家の嫁だ。この俺が言ってるのは、三木家の名誉を守るためだ。この件は父にも報告する。しっかり反省しろ!」

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